新井 真理子
最後の恋文 天国のあなたへ―「新井将敬の妻」は私の天職だった
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定価 : ¥ 1,365
販売元 : 情報センター出版局
発売日 : 2005-10 |
価格:¥ 1,365
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出るべきして出た本である。
日本がグローバリゼーションの波に洗われ、改革の炎が政界に燃え上がった1990年代初め、「改革派のホープ」、「将来の総理候補」とマスコミに騒がれた新井将敬が一転して株疑惑で「落ちた偶像」になり、集中攻撃を浴びた。
その最中の自殺は他殺説が出るほど衝撃的であったが、その新井が在日朝鮮人であったことがさらに複雑な波紋を広げた。
栄光と挫折の振幅の多い人生を走りぬけた在日政治家・新井にとって「日本人として政治に命をかけた」意味は何であったのか、今でも深く突き刺さってくる問いかけだ。最近のフランスでの移民二世、三世の暴動ニュースに接するたびに改めて思い起こさせる。
その折、新井に最も近いところにいた妻の証言が本になって出たことはグッドタイミングであった。
自殺の原因に関しては諸説あり、『代議士の自決』が「潔白を晴らそうとする覚悟の死」、生前に著書などで語っていた「政治的死」と分析するが、当時の状況や新井の性格から、恐らく間違ってはいないだろう。
しかし、人間、死に際しては心が揺れに揺れ、額面通りに行動するのは難しいのではないだろうか。
本書には「浮き草のような生き方」と批判され、最後まで悩んでいた新井の心の揺れが妻の目から率直に描かれている。
自決はそれに対する回答ではなかったのかと、疑問の一端が解けたような読後感があった。
理論的に整理されたものではないが、遺書や隠れたエピソードがふんだんに紹介され、それだけでも資料的な価値が十分にある。
小泉自民党から除名された「亀井静香代議士だけが新井を支えてくれた」との部分も、新井死後の改革運動や政界の動きを何か象徴しているようで興味深かった。
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フェミニズムの議論が盛んになる中で、女性としての生き方が様々論じらてきた。今では、著者の描く男女関係は流行遅れかもしれない。けれど、私は惹かれずにはいられない。試行錯誤して女の生き方を模索してきた近代。その結果生まれた、時折哀れに見えるフェミニスト達を冷ややかな目で見る若い世代。今、この本を読んで、新井真理子という女の生き様を、現代の女性はどう捉えるのだろうか。
学歴・肩書き重視のコンパに明け暮れる女性に是非読んでもらいたい。